自動倉庫の導入
自動倉庫は、品物の入庫、保管、仕分け、集荷(ピッキング)、在庫管理等の一連の作業をシステムによって自動化で行うことのできる設備です。荷物を保管する棚、フォークリフトや周辺設備とのインタフェースとなるコンベヤ、コンベヤと棚の間で荷物を搬送する装置により構成されています。
棚の種類
- バケット型
物品をバケット(箱やコンテナ)に入れてラック上に積み重ねた状態で保管し、棚に沿ってクレーンが上下左右に移動することで商品を出し入れします。他のタイプと比較してコンパクトな設計なので、計量で小さな物品を多数貯蔵する場合に適しています。
- パレット型
大型のパレット(台)に一定数の物品を載せ、パレット単位で保管・移動させるタイプの倉庫です。AGV(無人搬送車)等と組み合わせたシステムを構築できるため、広い用途に対応しています。
- 移動棚型
物品を保管する棚自体が移動する仕組みを持つ倉庫です。棚自体が移動するので通路用のスペースを確保する必要が無いため、保管量の向上や格納効率のアップが期待できます。
価格、ランニングコスト
設置環境や規模によって数百万円~数千万円と価格は大きく異なり、初期導入費用だけでなく、メンテナンス費用や運用コストも含まれることが多いです。システムの規模や導入環境によっては追加費用が発生する場合もあります。
導入メリット
- 在庫管理と作業の効率化
商品の入出庫や在庫のピッキング作業が自動化することで、人手による作業と比較して、迅速かつ正確に商品を取り扱うことができ、作業効率が大幅に向上します。また、リアルタイムに在庫状況を把握できるため、欠品や過剰在庫のリスクを軽減できます。
- ヒューマンエラーの減少
商品の入出庫や在庫管理が自動的に行われるため、誤った商品をピッキングしたり、在庫を誤登録したりといった人為的なミスが大幅に減少します。
- 24時間稼働による生産性向上
作業者の勤務時間に依存せず、24時間体制で稼働でき、生産ラインへの部品供給や商品の発送作業を途切れることなく実施できるため、受注のピーク時や納期が厳しい場合でも対応力が向上します。
気を付けること
- 専門的な知識や技術が求められる
倉庫の形状や大きさ、使用する物品の種類や量などを考慮して最適な自動倉庫を選ぶ必要があり、そのためには自動倉庫の種類や仕組み、設置方法などを理解する必要があります。また、物流システムや生産ラインなどとの連携も必要になるため、導入する前に現在のシステムやプロセスを把握し、自動倉庫を導入することでどのような改善が期待できるかを検討する必要があります。
- 倉庫や商品の状態を確認する仕組みを強化する必要がある
自動倉庫を導入し省人化が実現したことで倉庫内の人員が少なくなると、装置や機械が故障したとき人手でカバーしようとしても対応しきれない場合が出てきます。また、商品の破損や劣化、異物混入などが発生した際に気づきにくくなることが予想されます。こうした状態を防ぐため、出庫・出荷前の確認点検、劣化や異物混入などを防ぐ仕組みを構築することが必要です。
活用例
- 電子部品製造会社の部品管理に活用
ある電子部品製造会社では、膨大な数の小型部品を管理する必要がありました。従来は手作業で部品を保管・ピッキングを行っていましたが、バケット型自動倉庫を導入することで、保管スペースを大幅に削減し、ピッキングの効率を向上させました。また、ヒューマンエラーが減少し、製造ラインへの供給速度が大幅に改善されました。
- 飲料メーカーの物流センターに活用
大手飲料メーカーの物流センターでは、毎日数千パレットもの飲料製品が入出庫しています。従来の手作業による管理では、在庫管理が複雑で、作業時間が長くかかっていました。そこでパレット型自動倉庫を導入したところ、入出庫作業が効率化され、在庫回転率が向上しました。また、リアルタイムでの在庫状況の把握が可能となり、欠品や過剰在庫を防ぐことができました。
- アパレルブランドのEC注文管理に活用
人気のアパレルブランドが運営するECサイトでは、シーズンごとに商品ラインナップが変わるため、商品の入れ替えや在庫管理が重要な課題でした。移動棚型自動倉庫を導入し、注文された商品を効率的にピッキングできるようにしたところ、ピッキング時間が短縮され、オンライン注文に対する出荷速度が向上しました。また、限られた倉庫スペースを最大限に活用し、季節ごとの商品入れ替えもスムーズに行えるようになりました。
省力化補助金を活用できる製品
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